ストーンヘンジは、ロンドンのほぼ真西、ソールズベリーから約13kmのところにある巨石遺跡です。
世界で最も有名な先史時代の遺跡で、1986年に世界遺産に登録されました。
しかし、その巨石遺跡を築いた理由は、謎に包まれています。
おおよその説では、紀元前3050年~紀元前1500年頃、何百年もかけて築かれたとされています。
ストーンヘンジ遺跡は直径87mのストーンサークルで、マールバラのダウンズ丘陵から採られたサーセン・ストーン(砂岩)とウェールズ地方・プレセリの丘から採られたブルー・ストーン(玄武石)の2種類の巨石を等間隔に配置しています。
遺跡を構成するのは、このストーンサークルとその周辺に残る立石や土手、堀などです。
巨石はコロとテコを使い、数百人が力を合わせてロープを引き、遠く離れたソールズベリーまで陸輸送したとみられています。
しかし、1つの巨石の重さは大体20tから50tにもなるので、それらの巨石を運び、更にストーンサークルを形成したその年月や巨石の数を考慮すると、それは途方もない作業です。
ストーンヘンジに関わった人数は20万にも50万にもなるでしょう。
一つの目的のために、これだけ長きに渡り結束し続けられたという点は非常に特筆すべきことで、それだけ協力的なコミュニティが当時既に築かれていたのではないかと推測されます。
世界遺産登録:1986年
多くの人々が一つの目的に向かって築き上げたストーンヘンジ。
ヨーロッパでは既に幾つかのストーンサークルが発見されていますが、ストーンヘンジほど謎めいた遺跡はほかにないでしょう。
それほどまでに情熱的を注がれたストーンヘンジは、一体どんな理由で築かれたのでしょうか?
その理由で20世紀後半まで最も有力とされていたのが、ケルト民族のドルイド教徒たちの礼拝堂であったという説です。
そのほかに、太陽崇拝の祭祀場として、天文台として、また墓地として築かれたという説などがあります。
しかし結局、科学調査を本格的に開始したにも関わらず、いまだ明確なことはわかっていません。
但し、最近の調査で「アヴェニュー」が発見されました。
人々がストーンヘンジに向かうルートが発掘されたのです。
このことから、ソールズベリーにはその地域外からも何かの目的で多くの人が訪れていたのではないかと推測されています。
しかしそれでも、ストーンヘンジにはミステリアスな魅力があるのです。
ストーンヘンジから約30kmのエーヴベリーには、ヨーロッパ最大級のストーンサークルがあります。
エーヴベリー遺跡には、外周に約180個の巨石が配されていたと言われています。
現存するものは、そのうちの100個です。
エーヴベリー遺跡は、ストーンヘンジと併せて世界遺産に登録されています。