イギリスの海外領土であるゴフ島とイナクセシブル島は、大西洋にある「トリスタンダクーニャ諸島」の無人の島々です。
大西洋の真ん中にポツンと存在するトリスタンダクーニャ諸島。
ここから一番近い都市の一つは南アフリカのケープタウンですが、そこからは2,500km以上離れています。
このことからわかる通り、ゴフ島とイナクセシブル島を含むトリスタンダクーニャ諸島は非常に孤立しており、本島で有人島であるトリスタンダクーニャ島は「世界一孤立した島」として、ギネスに認定されているほどです。
しかし、そこには孤立していたからこそ、守られてきた大自然があります。
ゴフ島とイナクセシブル島は共に火山島で、16~17世紀に発見されました。
ゴフ島は面積65km2の島で、2億年以上前に火山活動によって形成されました。
島が発見されてから暫くは欧州諸国の間で争奪戦が行われていましたが、1938年からは正式に英国領です。
ゴフ島には1811年から科学者たちが定期的に訪れており、1955年には観測施設が設置されました。
そこには数名の職員が常駐していますが、島の住人というわけではありません。
イナクセシブル島は、オランダの航海士たちが発見した島で、現在はゴフ島と共に英国領です。
これらの島々では、ある種の立地条件の良さもあり、島固有の貴重な生態系が手つかずで残っています。
科学者たちにとっては大変貴重な研究史財です。