コーンウォールと西デヴォンの鉱山景観(世界遺産登録:2006年)

イギリス本土の最西南端、コーンウォール州からデヴォン州西部にかけての地域は、かつて砒素やスズ、銅の世界的産地でした。

その炭鉱産業は、産業革命時の18世紀~19世紀には最盛期を迎え、当時の遺構は現在世界遺産に登録されています。

1500年頃までに、コーンウォールは既に有名なスズの生産地になっていました。

そして産業革命で次々に革新的な技術が生まれた1800年代、技師リチャード・トレヴィシックが従来の10倍もの圧力を出力する蒸気エンジンを開発。

これにより、炭鉱をより深く掘り下げることが可能になり、西デヴォンでも炭鉱産業の実績が飛躍的に伸び、イギリス南西部の採鉱産業が更なる発展を遂げたのです。

最盛期には、この地方から世界に供給される銅の量は世界全体の生産量の2/3、砒素も世界の1/2の生産量を占めていたほどです。

そして、コーンウォールでは炭鉱労働者のコミュニティが生まれ、彼らがほかの土地に移住してコーンウォール系独自のコミュニティを形成していきました。

しかし、1860年に銅が暴落し、スズ生産をメインに切り替えましたが、コーンウォールと西デヴォンの炭鉱産業は衰退していきました。

1998年にはどの鉱山も完全閉山します。

現在残る遺構は、地下鉱山、エンジン・ハウス、鋳造所や港湾などです。

彼らの採掘産業に貢献したその姿は、現存する遺構によって目にすることができます。

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