ダーウェント峡谷の工場群(世界遺産登録:2001年)

世界遺産「ダーウェント峡谷の工場群」は、イングランド中部にあるダーウェント峡谷にある工場群及び住居群です。

この工場群は、17~18世紀の産業革命初期に非常に重要な役割を果たしました。

そこでの主な産業は、紡績です。

ダーウェント峡谷では、発明家リチャード・アークライトが発明した水力紡績機によって産業が発展し、峡谷沿いに次々に工場が新設されました。

紡績機が水力によって稼働していたので、必然的に川沿い地域に工場が密集するようになったのです。

そして、そこで働く人たちのための居住地も多く造られるようになり、コミュニティが発展しました。

産業革命が始まった当初、人々の間にはまだ「労働者階級」という概念はありませんでした。

しかし大規模な工場群に労働者が集ったことで、労働者のコミュニティが「労働者階級」という新しい概念を生み出したのです。

この新しい概念に基づき、イギリスの産業を豊かにしたのはほかでもないアークライトです。

彼は元々理髪師で、床屋に弟子入りしていました。

そこでかつら職人としての腕を身につけ、後に自身の店を持つようになります。

その後、彼の興味はかつらから紡績に移り、水力紡績機を発明。

この特許を取得したことが産業発展の基盤になりました。

ダーウェント峡谷には、その当時の姿が今尚残っており、工場跡地の一部はホテルやレストランなどに転用され、現在も利用されています。

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