ロンドン南東部に位置するグリニッジは、天文台があることで有名で、世界標準時の概念が築かれたところです。
グリニッジは海商都市として大航海時代に栄え、その当時いち早く航海術を研究していました。
その過程で、グリニッジ子午線という概念が出来上がったのです。
1675年、当時のチャールズ2世は、貿易拠点であるグリニッジに天文台を設立しました。
これは、天体研究を主な目的としたものです。
当時の世界にはまだ、正確な時計や緯度・経度の概念はありませんでした。
そして、それらを正確に把握することで、大英帝国の海外での活躍が飛躍すると時の国王は確信していたのです。
1851年、当時の天文台長ジョージ・エアリーは天文台本館に子午環を設置し、ここがグリニッジ子午線の基準点となりました。
グリニッジで研究・開発された海運技術はその後の世界で広く役立つことになり、世界的にグリニッジ標準時が認められるようになったのです。
天文台機能は、1990年にケンブリッジに移設されました。
そのため、現在天文台は使われておらず、その代わりに博物館になっています。
グリニッジには、大英帝国繁栄の時を支えた海事関連の建築物や博物館、海軍大学などが現在も残り、それらは貴重な史跡として高く評価されています。
世界標準時の概念が築かれたグリニッジというところは景観もよく、のんびりと散策できるところです。