キュー王立植物園(世界遺産登録:2003年)

キュー王立植物園は、ロンドン南西部テムズ川沿いにある植物園です。

元々は、18世紀にケープル卿が熱帯植物を集めて造った庭園でした。

しかし、1759年に庭園が植物園として規模を拡大していきます。

きっかけは、フレデリック皇太子の未亡人、オーガスタ妃が建築物を何棟か建設したことです。

その後、庭園は拡大し、植物の種類も豊富になっていきました。

1781年、隣接するところにあるオランダ人の館をジョージ3世が購入し、王室の子供たち専用の施設に改造。

1840年には庭園が正式に国立植物園になりました。

小規模な庭を大きな植物園にまで成長させたのには、大英帝国のプライドがありました。

植物園では、植物や農業の研究が盛んに行われていたのです。

その目的は、種々の植物を英国海外領土の条件に合わせて改良し、大量生産することによって収益を上げるためです。

つまり、国益のために、植物研究が必要であったのです。

その結果、植物園は拡大し、120ヘクタールもの広大な規模になりました。

現在もキュー王立植物園には4万種以上の植物があり、700万種類以上の標本が所蔵されています。

庭園には6つの温室がありますが、そのほかにも世界各国の庭園様式を取り入れた素晴らしい庭園が幾つもあります。

1910年の日英展示会の際に建立された日本庭園もあり、イギリスの風景と併せて見ると、非常に興味深いところです。

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