ソルテア(世界遺産登録:2001年)

ウエストヨークシャー州にあるエア川、リーズ・リヴァプール運河流域に、世界遺産になっている「ソルテア」という工場都市があります。

この都市は、近世を代表するモデルヴィレッジでイギリス及びヨーロッパの都市計画に大きな影響を与えたことで知られています。

イギリスでは、労働者の居住環境にまで配慮した労働者のための都市計画が幾つも実行されました。

世界遺産に登録されているもので有名なのは「ニュー・ラナーク」です。

そしてソルテアもまた、労働者の生活に配慮した労働者のための町です。

ソルテアを建設したのは、産業家のサー・タイタス・ソルト。

彼はアルパカを使った織物産業で既に成功していた実業家です。

しかし、産業を担った工場は不衛生で環境が悪く、ソルトは環境改善ができないものかと思案しました。

そこで1853年、ソルテアを建設したのです。

町建設の主な目的は、労働者たちの環境改善をすること、そして近隣の運河や鉄道による利点を生かしたより発展的な産業を生み出すことです。

ソルテアは、22の街路の両側を質の高い建築物で埋めた整然とした造りの町です。

そこには、風通しや太陽光の取り入れといった配慮がされています。

また、労働者たちが気軽に利用できるような洗濯所、浴場、教育施設、更に娯楽施設まであり、モデルヴィレッジとして成功しました。

現在、町は再建され、近現代の労働者たちの理想郷を見ることができます。

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