世界中から観光客が押し寄せるロンドン。
その中でも観光の目玉として人気のある地域が「ウェストミンスター」です。
その中で、時計塔「ビッグ・ベン」がシンボルのウェストミンスター宮殿、歴代国王の戴冠式が行われているウェストミンスター寺院、その隣にある聖マーガレット教会は世界遺産に登録されています。
ウェストミンスターは、ロンドン中央を流れるテムズ川に沿った地域で、まさにロンドン中心部です。
主要観光地が密集しているのは勿論のこと、政治の中心でもあり、バッキンガム宮殿やケンジントン宮殿など、王室の居住地があります。
その中で3つの建築物が世界遺産に登録されたのは、各々が英国の歴史を最も象徴しているからです。
ウェストミンスター宮殿は、イギリス議会制度発祥の地で英国政治の拠点になってきました。
元々の建物は11世紀に建てられ、中世後期まで王宮として使われてきました。
1834年に火災により建物の殆どが焼失。
それを機に、建物は壮大なスケールで再建されることになりました。
公募によって選ばれた建築家チャールズ・バリーとオーガスタス・ピュージンが担当し、現在ある見事なゴシック・リバイバル様式で完成させました。
ビッグベンは、15分おきに正確に鐘が鳴り、英国の時を刻んできたと共に、英国の秩序の象徴と見なされてきました。
テムズ川に映えるウェストミンスター宮殿は、ひときわロマンティックな美しさです。
世界遺産登録:1987年
登録拡大:2008年
ウェストミンスター寺院は、王室行事にもっとも深く関わる英国国教会寺院です。
この建物は、「懺悔王」として知られるエドワードがウェストミンスター宮殿と同時に建設しました。
エドワードの信仰心の深さは有名で、彼は後に聖人に列することになりました。
そして、エドワード治世以降、歴代英国国王の戴冠式はここで行われるようになったのです。
1245年にヘンリー3世が再建を決め、寺院はフランス・ゴシック様式の壮大なものになりました。
ウェストミンスター寺院は国王の戴冠式が行われるほか、王族の重要な儀式の際に利用されます。
今は亡きダイアナ妃の葬儀はここで行われ、ウィリアム王子夫妻の結婚式も行われました。
ウェストミンスター寺院は、王室ゆかりの寺院というだけでなく、英国の偉人たちが多数埋葬されているところでもあります。
学者のニュートンや文豪シェイクスピア、政治家のチャーチルらがこの寺院で眠っています。
ウェストミンスター寺院の隣にある教会は、聖マーガレット教会です。
こちらはあくまで庶民の礼拝所という位置づけですが、チャーチルがここで結婚式を挙げるなど、王族や偉人にもゆかりがあります。
壮大で威厳に満ちた寺院と比べ、こちらはポートランド・ストーンという石灰岩の柔らかい白色の壁が特徴です。
宮殿、寺院、そして聖マーガレット教会は夜一斉にライトアップされます。
夜のロンドン観光のハイライトです。