ボイン渓谷の考古遺跡群(世界遺産登録:1993年)

ボイン渓谷の考古遺跡群は、アイルランドで考古学上最も重要とされる遺跡群です。

所在地は、アイルランド北東部、ブルー・ナ・ボーニャ。

その地域に流れるボイン川に沿って、多くの遺跡が点在しています。

これらの遺跡が形成されたのは、新石器時代から鉄器時代のことでエジプトのピラミッド形成よりもはるか昔のことです。

つまり、アイルランドでは、その当時には既に高度な人間社会が形成されていたのです。

ボイン渓谷の考古遺跡群を形成する地域は、総面積780万m2にも及びます。

その中でも、大型石室墓である「ニューグレンジ」「ノウス」「ダウス」はこの遺跡を代表する最も有名な古墳で、そのほか40以上の古墳や立石などが点在しています。

これらの遺跡は、20世紀に入るまで埋もれたままであり、多くのことが謎とされてきました。

しかし、1962年に考古学者のチームが本格的な調査に乗り出し、次々に歴史ある古墳や生活道具などを発掘したのです。

ニューグレンジとダウスは、冬至の時だけ石室に光が差し込む構造になっていて、天文考古学上でも重要な発見とされています。

ノウスは春分の光に対応しているとされていますが、まだそのことについては調査中です。

ノウスでは巨石美術がヨーロッパで最も多く発見されています。

ボイン渓谷には、先史時代の遺跡が数多くあるほか、キリスト教建築物など優れた芸術や名所があるので観光客にとても人気です。

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