セント・キルダ(世界遺産登録:1986年、拡大:2004,2005年)

セント・キルダ諸島は、スコットランド北西部から約185kmのところにあります。

本島のヒルタ島、ボーレ島、ソアイ島、ダン島の4島で構成されていて、1986年に世界自然遺産に登録されました。

その後、2004年に周辺海域も含めた地域、更に新石器時代から残る数々の遺跡も含め、世界複合遺産になりました。

これらの島は無人島で、かつてはヒルタ島のみ人々が暮らしていました。

しかし、1930年の天然痘流行により島民は避難。

現在は4島ともに無人島です。

その代わりに、多くの自然が未開のまま残り、海鳥たちが羽を伸ばして暮らせる最適な場所になりました。

セント・キルダは、イギリス最大の海鳥の繁殖地です。

特にシロカツオドリはセント・キルダが世界最大の繁殖地として知られており、そのほか推定100万羽の鳥たちがここで巣作りをしているといわれています。

島固有種の動植物も多く、特にヒツジの固有種が有名です。

諸島は、およそ3000万年前に、火山活動によって形成されました。

しかし、花崗岩や斑レイ岩などでできた痩せた土地や気候によって木々が繁殖するような場所にはなれず、かつて住んでいた人々は牧畜やわずかに採れる植物などを食していた程度でした。

しかし、人の暮らしに適さない土壌が、島々の貴重な生態系を守ってきたといえるでしょう。

現在はその自然を守るために、観光客の出入り数は厳しく制限されています。

メニュー

ページの先頭へ