ニュー・ラナーク(世界遺産登録:2001年)

ニュー・ラナークは、スコットランド中部にある産業集落で産業革命を代表する世界遺産物件です。

クライド川沿いにあるニュー・ラナークは水力を使った綿紡績工場が立ち並んでいたところで、これらの基礎を叩き上げで上流階級に昇り詰めたデヴィッド・デイルが築きました。

彼の娘婿は、歴史に名を残す有名な社会改革家のロバート・オーウェンです。

1786年にデイルが紡績工場を設立した後、オーウェンも事業に加わるようになりました。

オーウェンが目指したものは、労働者にとって理想的な環境づくりです。

そのため、工場が得た収益は全て労働者のために費やされ、工場を中心にした集落には学校や病院などが次々に建設されました。

労働者の子供たちは労働することを禁じられ、ニュー・ラナークで最高水準の教育を受けることができました。

労働者の多くは貧困層出身者。

彼らに働く場所と居住空間を作ったことで、オーウェンは博愛主義的な理想郷を見事に実現したのです。

1825年、ニュー・ラナークの経営権がウォーカー家に移りました。

その後所有者が数回変わりましたが、1974年に「ニュー・ラナーク保全トラスト」が発足してからは、貴重な産業遺産を保存・修復するようになり、現在に至ります。

現在も約200人が暮らすコミュニティとして稼働していますが、その一方では年間40万人が訪れる観光スポットとなり、観光客向けサービスも充実しています。

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