ブレナヴォンの産業景観(世界遺産登録:2000年)

ウェールズ南東部にある町ブレナヴォンは、18~19世紀に炭鉱・鉄鋼業で非常に栄えたところです。

その産業景観は今尚完全に保存されており、2000年に世界遺産に登録されました。

ブレナヴォンでの鉄鉱石採掘の歴史は古く、1675年には既に発掘作業が行われていました。

しかし、ブレナヴォンには住人はあまりおらず、宝の持ち腐れ状態が長年続いていたようです。

この地域の開発に乗り出したのは、トーマス・ヒル、トーマス・ホプキンス、ベンジャミン・プラットの3人です。

彼らは1788年、産業革命の最新技術などを取り入れてブレナヴォンを開発し、町を大きく発展させたのです。

1789年には蒸気動力による高炉を3基導入し、そのことでブレナヴォンは世界的な製鉄の町として繁栄期を迎えることになりました。

産業革命当時、鉄は最も重要のある鉱物でした。

ですから、彼らの改革は時代の後押しもあって成し遂げられた面も大きかったと思われます。

町の人口は増加し、それに伴い居住空間も整備されていきました。

しかし、19世紀末には製鉄業は衰退し始めます。

1938年には鉄鋼生産は完全にストップし、町そのものが衰退していきました。

現在残っているブレナヴォン繁栄期の遺産は鉄工所や採鉱場、労働者の住宅地などです。

「ビックピット」と呼ばれた大製鉄所は、現在は国立石炭博物館になっており、一般公開されています。

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